土曜日のローズヒルガーデンズ競馬場では、シドニーのスプリングシーズンでスター候補となるかもしれない馬がデビューした。圧巻のデビュー勝ちを見せた、オータムグローという牝馬だ。
2023年、この年のイングリス・イースターイヤリングセール最高額となる180万オーストラリアドルで購入されたこの3歳牝馬は、黒と黄色のダイヤモンドで有名なアローフィールドスタッドの勝負服でデビュー戦に臨んだ。
父はジオータムサン。リダウツチョイスの後継種牡馬であり、1400mから2000mまでのG1を5勝している。
母のヴィアアフリカはG1を3勝し、2013/2014シーズンの南アフリカ最優秀短距離馬に輝いた活躍馬。また、3/4同血の半姉には、G1・ゴールデンローズステークスを制したインザコンゴがいる。
クリス・ウォーラー調教師は1300mのデビュー戦を前に、2回のバリアトライアルを使って入念に準備を整えた。前回走った900mのバリアトライアルでは、鞍上にジェームズ・マクドナルド騎手を迎えて1着入線、潜在能力の高さを感じられる内容だった。また、前週の水曜日には一度出走を取り消し、デビュー戦をこのレースに切り替えた。
実況アナウンサーのダレン・フリンデル氏は実況の中で「幸先の良いデビュー」と評したが、そう言われる理由も一目瞭然であった。
6頭立てのレースで、鞍上のタイラー・シラー騎手は4番手での追走を選択した。直線で鞍上が促すと、即座に加速。手応えに余裕を残したまま2馬身半の快勝、ライバルを圧倒してデビュー戦を勝利で飾った。今後、春のシーズンは1400m以上のハイレベルな牝馬限定重賞を目指す予定だ。
オータムグローの春の目標としては、10月5日にランドウィックで行われる1600mのG1、フライトステークスの名前が挙げられている。ウォーラー調教師もレース後のインタビューで、同様の趣旨のコメントを残している。
また、ウォーラー調教師はレース後の取材で「特別な存在」とコメント。父のジオータムサンもまた、ウォーラー調教師の管理馬として知られている。
「彼女はもっと大きな舞台を目指せるだろう」
「できれば、フライトステークスを目指したい」
鞍上のシラー騎手もレース後のコメントで、調教師と同様に賞賛している。
「彼女は特別な馬です。安心して乗れました。ギアを上げながら、クルージングしていただけです。残り200mでいざ追い始めたとき、鋭い加速を見せてくれました。才能の片鱗を見せてくれましたね。今日は自分が何かをする必要はありませんでした」