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日本ダービー2025: ダービー馬候補パワーランキング(5月1日更新版)

ダービーのゲートが開くまで残り1ヶ月。日本競馬をよく知るIdol Horseのエキスパートたちが、2025年の東京優駿(日本ダービー)の有力馬をランキング形式で紹介する。

日本ダービー2025: ダービー馬候補パワーランキング(5月1日更新版)

ダービーのゲートが開くまで残り1ヶ月。日本競馬をよく知るIdol Horseのエキスパートたちが、2025年の東京優駿(日本ダービー)の有力馬をランキング形式で紹介する。

牡馬クラシック開幕戦のG1・皐月賞、そしてダービーと同距離・同コースの前哨戦、G2・青葉賞がこの2週間の間に行われ、世代の力関係が徐々に見えてきた今年のG1・東京優駿(日本ダービー)。

皐月賞はジョアン・モレイラ騎手のミュージアムマイルが勝利、青葉賞はエネルジコが接戦を制し、それぞれダービーの有力馬に浮上した。

彼らはディープインパクト、スペシャルウィーク、キングカメハメハ、オルフェーヴル、コントレイル、ドウデュースといった歴代の名馬に並ぶ日本ダービー馬になれるのか?その答えは6月1日に出る。

日本競馬のエキスパートたちがダービー馬候補たちを1位から18位までランク付けし、その評価を総合してフルゲート18頭分のパワーランキングを作成。今後も主要なタイミングで随時ランキングを更新していく予定だ。

1. クロワデュノール

前回順位1
調教師斉藤崇史
馬主サンデーレーシング
血統キタサンブラック × ライジングクロス
主な勝ち鞍G1・ホープフルS(中山・2000m)

クロワデュノールは皐月賞で敗れたにもかかわらず、ランキング首位を維持した。同馬は昨年12月28日のG1ホープフルステークス(2000m)を制して2024年世代の最優秀2歳馬と目され、その時点での評価はクラシック初戦へ向けて万全と思われた。

1.5倍の圧倒的人気で臨んだ皐月賞では、完璧だった連勝記録が途切れて2着に敗れたものの、その評価には揺るぎなし。最終コーナーは内から4頭分の外側を回り、捲るように進出開始。中山の急坂を駆け上がる最後の1ハロンで脚勢が鈍り、外から伸びたミュージアムマイルに差し切られた。

過去15年で皐月賞2着から日本ダービーを制したのは2023年タスティエーラと2016年マカヒキの2頭である。


2. マスカレードボール

前回順位6
調教師手塚貴久
馬主社台レースホース
血統ドゥラメンテ × マスクオフ
主な勝ち鞍G3・共同通信杯(東京・1800m)

皐月賞で末脚を伸ばして3着と健闘したマスカレードボールは順位を大きく上げた。これで5戦の中で凡走したのはホープフルSでの11着のみ。半姉にG1好走歴を持つマスクドディーヴァを持つ血統背景、これまで3勝を挙げた豊富な実績からも本命候補に浮上した。

2010年以降、皐月賞3着からダービーを制した馬にはドウデュース、ディープブリランテ、エイシンフラッシュがいる。

MASQUERADE BALL, TAKESHI YOKOYAMA / G1 Satsuki Sho // Nakayama /// 2025 //// Photo by Shuhei Okada

3. ミュージアムマイル

前回順位18
調教師高柳大輔
馬主サンデーレーシング
血統リオンディーズ × ミュージアムヒル
主な勝ち鞍G1・皐月賞(中山・2000m)

弥生賞での4着で評価を落とし、前回は目立たない順位にいたミュージアムマイルだが、皐月賞を勝って一気にトップグループへと躍進。2歳時にG1・朝日杯FSでアドマイヤズームの2着に入った素質が証明された。

2戦目の未勝利戦(1800m)で勝ち上がり、11月の黄菊賞(2000m)も連勝。3か月ぶりだった3月のG2・弥生賞は4着に敗れたが、今回は仕掛けどころで外を回りながら伸び切って戴冠。

皐月賞からダービーの二冠制覇は、近年ではコントレイル、ドゥラメンテ、オルフェーヴルなど名馬揃い。歴代の怪物に匹敵するパフォーマンスが求められる。


4. サトノシャイニング

前回順位2
調教師杉山晴紀
馬主里見治
血統キズナ × スウィーティーガール
主な勝ち鞍G3・きさらぎ賞(京都・1800m)

皐月賞で2番人気ながら5着に終わったサトノシャイニングは、中団外目から進出するも、直線でミュージアムマイル、マスカレードボール、ジョヴァンニに交わされ脚が鈍った。

とはいえ、皐月賞はまだ4戦目。新馬戦快勝後、G2・東スポ杯ではクロワデュノールの2着、2月のG3・きさらぎ賞では朝日杯FSの2着馬・ランスオブカオスなどを抑えている。今回は初黒星だったが、成長途上の一戦といえよう。

Satono Shining winning the G3 Kisaragi Sho
SATONO SHINING, ATSUYA NISHIMURA / G3 Kisaragi Sho // Kyoto /// 2025 //// Photo by JRA

5. ファンダム

前回順位5
調教師辻哲英
馬主キャロットファーム
血統サートゥルナーリア x ファナティック
主な勝ち鞍G3・毎日杯(阪神・1800m)

無傷の3連勝で注目を集めるファンダムだが、初回のランキングで同馬を推していたエキスパートはタカハシ・マサノブ氏のみだった。しかし、直後のG3・毎日杯(1800m)では豪快な末脚を披露し、誰もが認める有力候補に台頭した。

今回、クラシック初戦の皐月賞はパスしてダービー直行を選択。毎日杯からのダービー制覇は近年では2021年のシャフリヤール、2013年のキズナがいる。


6. エネルジコ

前回順位16
調教師高柳瑞樹
馬主シルクレーシング
血統ドゥラメンテ × エノラ
主な勝ち鞍G2・青葉賞(東京・2400m)

エネルジコは先週のG2・青葉賞を制して10ランクアップ。デビューから3戦全勝、青葉賞は直線で先頭から5番手まで1馬身弱という接戦だったが、最後方から上がり最速で差し切る内容。前走からの上積みを見せ、ダービー馬候補に名乗りを上げた。

ダービーと同距離の条件で実績を残したのは大きいが、G1級の相手と当たった際にどうか。経験値と成熟度が鍵となりそうだ。


7. ジョバンニ

前回順位4
調教師杉山晴紀
馬主KRジャパン
血統エピファネイア × ベアフットレディ
主な勝ち鞍リステッド・若葉S(阪神・2000m)

サトノシャイニングの僚馬、ジョヴァンニは豊富な経験が売りの一頭。ここまで2勝、2着3回、皐月賞では差し脚を伸ばして4着に入った。

これまでの2着3回は、エリキングの後塵を拝した野路菊SとG3・京都2歳S、クロワデュノールの2着に終わったG1・ホープフルSでの敗戦。2025年初戦は2000mのリステッドを勝っている。皐月賞後も堅実なダービー候補に映るが、今のところ、世代のトップに立つほどのインパクトは感じさせない。

Giovanni running second in the G1 Hopeful Stakes
GIOVANNI, KOHEI MATSUYAMA / Newcomer Race // Kokura /// 2024 //// Photo by JRA

8. エリキング

前回順位3
調教師中内田充正
馬主藤田晋
血統キズナ × ヤングスター
主な勝ち鞍G3・京都2歳S(京都・2000m)

エリキングは皐月賞で初敗北を喫し、順位を5つ下げた。前述の通り、ホープフルSの2着馬・ジョバンニを2度破っていることから、クロワデュノールと肩を並べるような注目の実績を持っていた。

豪州のG1馬、ヤングスターを母に持つこの馬は皐月賞が今年初戦。スタート後の1コーナーまでに不利を受けてスイッチが入り、内ラチ沿いの中団で折り合いを欠き気味。向こう正面で位置取りを下げ、直線も狭い所に入って伸びあぐね、結局11着に終わった。

本来の実力はこんなものではないはずだが、過去15年を振り返ると、皐月賞惨敗からダービーを制したのはワグネリアン(同レース7着)だけである。

ERI KING, YUGA KAWADA / G3 Radio Nikkei Hai Kyoto Nisai Stakes // Kyoto /// 2024 //// Photo by JRA

9. ファイアンクランツ

前回順位ランキング外
調教師堀宣行
馬主サンデーレーシング
血統ドゥラメンテ x カラフルブロッサム
主な勝ち鞍新馬戦(札幌・1800m)

青葉賞でのエネルジコにクビ差まで迫った2着により、ダービーランキングに食い込んだのがファイアンクランツ。

G3・札幌2歳Sではマジックサンズの3着、G2・東スポ杯2歳Sではクロワデュノールの4着に入るなどなど、世代上位に肉薄する健闘を見せてきた。6戦1勝という戦績はダービー馬の本命候補とは言い難いものの、出走枠に値する存在だ。


10. キングスコール

前回順位13
調教師矢作芳人
馬主DMMドリームクラブ
血統ドゥラメンテ × レインオンザデューン
主な勝ち鞍新馬戦(札幌・1800m)

伸びしろ充分のキングスコールは、キャリアわずか2戦で臨んだ皐月賞で7着とまずまず健闘。今回の経験で上積みが見込めれば、1か月後の東京で主役級に食い込む可能性がある。

昨年7月、札幌でのデビュー勝ちが優秀だったことに加え、今年初戦の3着に入ったG2・スプリングSでは1番人気に推された。矢作芳人厩舎からの高い評価も窺える一頭だ。


11. トッピボーン

前回順位ランキング外
調教師笹田和秀
馬主松島一晃
血統リアルスティール x チカノワール
主な勝ち鞍1勝クラス(阪神・2000m)

わずか3戦2勝、しかもいずれも条件戦という戦績しかないトッピボーンは、ランキングの中でも謎めいたワイルドカード的存在だ。しかしながら、前走の勝ちっぷりを見て、東京優駿でも通用する可能性があると分析する識者も複数存在する。

阪神で行われた最近の1勝クラスでは、レース前半で最後方に大きく離されていたにもかかわらず、ライバルを一気にまくり、レジェンド武豊騎手の手綱で楽々と4馬身差の圧勝を収めた。同馬が2000mで記録した1分57秒9は、阪神の同距離における3歳馬史上最速タイムである。

日本ダービーは格が一段上がる舞台であり、追走力は懸念材料だが、出走となればエキサイティングな有力候補であることは間違いない。次走は5月10日のG2・京都新聞杯、試金石の一戦を迎える予定だ。


12. カラマティアノス

前回順位17
調教師奥村武
馬主サンデーレーシング
血統レイデオロ × ダンサール
主な勝ち鞍こうやまき賞(中京・1600m)

初勝利を挙げたのは3戦目の1800m戦だったが、4戦目となったマイルのこうやまき賞では差し切り勝ち。2月16日のG3・共同通信杯(1800m)ではマスカレードボールの2着に健闘、続く皐月賞では10着に終わった。


13. リラエンブレム

前回順位7
調教師武幸四郎
馬主Gリビエール・レーシング
主な勝ち鞍G3・シンザン記念(中京・1800m)
血統キズナ × デルフィニア

リラエンブレムは自身が不在の間に他馬が台頭し、ランキングを下げる結果となった。

10月下旬の京都で新馬戦を勝利した後は休養に入り、1月13日に行われた中京のG3・シンザン記念で復帰。朝日杯FSで5着のアルテヴェローチェを2馬身半突き放して快勝した。しかし、3月末のG3毎日杯では単勝オッズ2倍の1番人気に支持されたものの伸びを欠き、7着と期待を裏切った。


14. ピコチャンブラック

前回順位8
調教師上原佑紀
馬主石部美恵子
血統キタサンブラック × トランプクイーン
主な勝ち鞍G2・スプリングS(中山・1800m)

最下位に終わった皐月賞の影響で、ダービー戦線での立ち位置を下げたのがピコチャンブラック。

3月中旬のG2・スプリングSで若き上原師に嬉しい初の重賞タイトルをもたらしたが、皐月賞では先行策が不発に終わり、直線入口を前に早々失速。昨年7月の新馬戦では7馬身差で圧勝、リステッドのアイビーSはマスカレードボールの2着と好走を見せた一方、ホープフルSでは大敗を喫している。

Piko Chan Black winning the Spring Stakes
PIKO CHAN BLACK, SHU ISHIBASHI / G2 Spring Stakes // Nakayama /// 2025 //// Photo by JRA

15. ファウストラーゼン

前回順位9
調教師西村真幸
馬主宮崎俊也
血統モズアスコット × ペイシャフェリス
主な勝ち鞍G2・弥生賞(中山・2000m)

もう1頭、皐月賞で精彩を欠きランキングを落としたのがファウストラーゼン。

3月上旬のG2・弥生賞(中山2000m)は単勝16.9倍の伏兵評価を覆して勝利、その前のホープフルSでは単勝オッズ303.3倍ながら3着に食い込む波乱を演出した。しかし、クラシック初戦の皐月賞ではこれまでの快進撃と裏腹に15着。不本意な結果に終わっている。


16. ジーティーアダマン

前回順位19
調教師上村洋行
馬主田畑利彦
血統ルーラーシップ x カウニスクッカ
主な勝ち鞍リステッド・すみれS(阪神・2200m)

キャリア3戦目で迎えた皐月賞では早めに好位につけたものの失速し、14着に終わった。デビューは1月、中京2000メートルの新馬戦を2馬身差で快勝。3月初旬には阪神2200mのリステッド・すみれSを制し、その際にはファイアンクランツを3着に下している。


17. マジックサンズ

前回順位ランキング外
調教師須貝尚介
馬主サンデーレーシング
血統キズナ x コナブリュワーズ
主な勝ち鞍G3・札幌2歳S(札幌・1800m)

年明け初戦の皐月賞(2000m)で6着に入り、上がり3ハロン33秒8の最速タイムを計測したマジックサンズだが、次走には5月11日のG1・NHKマイルカップを選択。東京優駿の回避が決定したわけではないものの、出走するとなればやや変則的なローテとなる。

キズナ産駒の同馬は2歳時に2勝、8月にはG3・札幌2歳Sを制したが、12月のホープフルSではクロワデュノールの16着と大敗を喫した。


18. アドマイヤズーム

前回順位10
調教師友道康夫
馬主近藤旬子
血統モーリス × ダイワズーム
主な勝ち鞍G1・朝日杯FS(京都・1600m)

昨年のG1・朝日杯FSを制したアドマイヤズームも皐月賞を回避し、NHKマイルカップへ向かう。したがって東京優駿もスキップする可能性があるが、現時点では素質を評価してランクインとした。

4月12日のマイルG2・ニュージーランドトロフィーでは1番人気に応えられずクビ差の2着に敗れたものの、4角で4頭分の大外を回らされたこと、終始プレッシャーを受ける厳しい展開だったことを考えれば、『度外視』可能なレース内容だった。

なお、NHKマイルカップから日本ダービーの二冠を最後に達成したのは2008年のディープスカイが最後。今年と同じ5月11日、6月1日という日程で両レースを制している。

ADMIRE ZOOM, YUGA KAWADA / G1 Asahi Hai Futurity Stakes // Kyoto /// 2024 //// Photo by Shuhei Okada

Idol Horse エキスパートチーム: デイヴィッド・モーガン、アンドリュー・ホーキンス、ジャック・ダウリング、上保周平、タカハシ・マサノブ、フランク・チャン

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