ザック・パートン騎手は、日曜日のBMW・香港ダービーで電撃復帰を果たす可能性も捨てていないことを明らかにし、「土壇場での電撃復帰に向けて準備はできています」と語った。
2月9日の落馬事故以来休養中のパートンは、当初はダービーデーで複数の騎乗を予定していたが、先週、左足の親指のピンを除去した後のレントゲン検査で「回復が十分ではない」と判断され、計画を一時棚上げせざるを得なかった。
しかし、3ヶ所の骨折を負った親指について専門医のセカンドオピニオンを求めた結果、ダービーの騎乗依頼があれば受ける用意があることを明らかにした。
「もし何かアクシデントがあり、乗り替わりが必要になれば、私がその選択肢のひとつになります」とパートン。「土壇場で飛び込んで、勝利を掴むつもりです」と意欲を見せた。ただし、この日のレースで他に騎乗する予定はないという。
昨年、マッシヴソヴリンでダービー2勝目を挙げたパートンは当初から、ダービーの1週間前に調教騎乗を再開する計画を立てていた。木曜日の朝に調教騎乗を再開し、翌日の金曜日にはバリアトライアルにも臨む予定だ。
「骨の隙間がやや広くなりすぎてしまい、ピンの間で骨が少しずれてしまいました。それで、骨が結合し始めるまでに少し時間がかかってしまったんです。でも今はしっかり安定してきたので、もう問題ありません」と回復状況について語った。

5週間以上の戦線離脱にもかかわらず、この42歳のトップジョッキーのリーディング首位の座は揺るがなかった。しかし、復帰後には騎手ルームの顔ぶれも一変し、香港競馬の流れも大きく変わっていることだろう。
パートンと同じ日に落馬し、脳の損傷と頸椎骨折を負ったヴィンセント・ホー騎手の不在は、シャティンのジョッキールームにおいて大きな穴を空けることになる。一方、新たにデクラン・マクドノー、リチャード・キングスコート、ジェームズ・オーマンが加わり、騎手陣の顔ぶれは大きく変化している。
また、パートンが不在だった10開催の間に、騎乗機会を最大限に生かしたジョッキーたちは存在感を増し、特に好調なジョン・サイズ厩舎の支援を受けた騎手たちは勢いに乗っている。
その中でも最も勢いに乗ったのはブレントン・アヴドゥラ騎手で、10開催で14勝を挙げ、ルビーロットとのクラシックカップ制覇も果たした。
アンドレア・アッゼニ騎手とヒュー・ボウマン騎手もこの間、平均して1開催につき1勝をマークしており、アレクシス・バデル騎手に至っては2024-25シーズンの勝利数をほぼ倍増させ、この10開催で19勝まで伸ばしてきた。
また、着実に勝ち星を積み重ねているのがハリー・ベントレー騎手だ。シーズン序盤は目立たなかったものの、ここ10開催で5勝を加算し、リーディング争いでもトップ10圏内に迫る活躍を見せている。