Aa Aa Aa

ジョン・ゴスデンは2024年現在、自身単独では5回、息子のタディとの共同では1回、平地部門チャンピオン調教師に輝いているイギリスを代表する名伯楽だ。イギリス競馬界では広く尊敬されており、正しい判断力と鋭い洞察力を持ち合わせる調教師として誰もが知る存在である。2017年には多大なる貢献が表彰され、OBE(大英帝国勲章)を授与されている。2度の英ダービー優勝、凱旋門賞優勝3回、そしてブリーダーズカップ、世界中の名だたるレースを複数勝っている。

妻のレイチェル・フッドは弁護士であり、ニューマーケットの議員、そして英馬主協会馬主協会(Racehorse Owners Association: ROA)の会長も務めていた。息子のタディは2021年に調教師となり、父と共にゴスデン厩舎を共同経営している。

John Gosden horse trainer

ジョン・ゴスデンは、イーストサセックスのルイスという街で厩舎を開業していたタウザー・ゴスデンの息子として生まれた。父もまた有名な調教師であり、1960年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスSを勝ったアグレッサー(Aggressor)を管理していたことで知られている。

競馬界に足を踏み入れると、アイルランドではヴィンセント・オブライエン厩舎、イングランドではサー・ノエル・マーレス厩舎、アメリカではトミー・ドイル厩舎と、調教助手として名門厩舎を渡り歩いた。20代後半の1979年になると、カリフォルニアで調教師免許を取得。1983年にはベイツモーテルがエクリプス賞の全米最優秀牡馬を受賞、その翌年にはロイヤルヒロインでブリーダーズカップ初勝利を挙げた。

1989年からは地元のイギリスに戻り、ニューマーケットで厩舎を開業。後にゴドルフィンの総帥となるドバイのモハメド殿下から支援を受け、アメリカ時代と変わらぬ大成功を収めている。

ジョン・ゴスデンが管理した有名な馬といえば、エネイブルだろう。3歳時に英オークス、愛オークス、キングジョージ、ヨークシャーオークス、凱旋門賞と立て続けにG1を制覇。翌年には凱旋門賞連覇を達成すると、古馬時代は3年でG1を6勝した。

Enable wins the G1 The King George VI And Queen Elizabeth Stakes

エネイブルが4歳時に勝った2度目の凱旋門賞、これはジョン・ゴスデンにとって最大の偉業と言っても差し支えないだろう。3歳シーズンの快進撃から一転、エネイブルの4歳時は怪我に苦しんだ年だった。春先の故障が影響し、春と夏は出走が叶わなかった。

その年の初出走は9月。オールウェザーのケンプトン競馬場で行われる2400mのG3・セプテンバーSに出走し、見事快勝。凱旋門賞の1か月前に復帰させると、その勢いで凱旋門賞の連覇に成功。その後はアメリカに遠征してBCターフも制覇、華麗な復活劇を見せて短い4歳シーズンを締め括った。

イギリスに戻ってからのジョン・ゴスデンは、3つの調教場を渡り歩いてきた。現在はニューマーケットのクレアヘイヴン調教場に厩舎を構えている。街の中心部から離れたベリーロードに位置しており、2006年からここを使用している。

イギリス時代の最初の拠点は、1989年から1999年まで使用していたスタンレーハウスステーブルだった。ドバイのモハメド殿下が所有するキーンハンターやウルフハウンドといった短距離G1馬、兄のハムダン殿下が所有する愛チャンピオンS勝ち馬のムータラームなどを送り出した他、1997年にはベニーザディップで英ダービーを勝っている。

ゴドルフィンが設立されてモハメド殿下の競馬事業が本格化した頃、ゴスデンは厩舎の移転を迫られることに。2000年からロバート・サングスター氏が所有するウィルシャーのマントントレーニングセンターに厩舎を引っ越すことになったが、以前の利用者はピーター・チャプルハイアム調教師。こちらも名伯楽として知られる調教師だが、前年に香港へと移籍して厩舎が空いていた。

マントン時代は快速馬のオアシスドリームやオブザーヴァトリー、牝馬クラシックウィナーのラハンやゼンダ(キングマンの母)などを輩出している。

John Gosden horse trainer

ゴスデンは名門ケンブリッジ大学のエマニュエル・カレッジで経済学を学んでいましたが、スポーツ選手としても才能を発揮しました。やり投げと円盤投げで、ケンブリッジ大学の学生代表選手に選ばれています。

海外競馬のスタートレーナーについて

すべて表示

すべてのニュースをお手元に。

Idol Horseのニュースレターに登録