ザック・パートン騎手は、日曜日のG2・ジョッキークラブカップでヴォイッジバブルに騎乗し、スーパースターのロマンチックウォリアーに勝負を挑む。パートンは難敵の仕上がりについて、「ほぼベスト」を覚悟している。
ロマンチックウォリアーは、4月初旬のG1・ドバイターフで日本のソウルラッシュに差し切られて以来レースに出走しておらず、5月下旬に左前の球節に手術を受けてからはリハビリに取り組んできた。
一方のヴォイッジバブルは、先月のG2・シャティントロフィー(1600m)で休み明け初戦に挑み、135ポンド(61.2キロ)の負担重量を背負って12着。着順は大敗に終わるも、ひと叩きを済ませている。
しかし、ロマンチックウォリアーは9月の調教復帰以降、ヒュー・ボウマン騎手を背に3本のバリアトライアルを消化。その入念な過程を経て、ダニー・シャム調教師は思い描く通りに仕上がりに導けているはずだと、パートンは分析している。
パートンはIdol Horseに対し、「ロマンチックウォリアーは(休み明けに向けて)とても良い基礎固めができています」と語る。「トライアルを何本もやって、どれも非常に良かった。ベストか、それに近い状態にあると見ていますし、ヴォイッジバブルも同じ状況です」
パートンは火曜朝、リッキー・イウ厩舎のヴォイッジバブルに跨がり、芝1200mでの追い切りを実施。その前日には、ジェームズ・マクドナルド騎手はロマンチックウォリアーに騎乗し、シャティンのオールウェザーコースで1000mの調教を行った。
ヴォイッジバブルはラスト区間が24.1秒で、全体時計は1分16秒5。ロマンチックウォリアーは25.7秒、全体は52.5秒にまとめた。
「ヴォイッジバブルの感触は良いですね。素晴らしい馬へと成長してきました」と語るパートンだが、同馬にレースで騎乗したのは2024年6月、日本遠征のG1・安田記念がラスト。昨シーズンは主にマクドナルドが手綱を取り、G1・4勝を含めてシーズン5勝を挙げた。
「何をするにも扱いやすい馬で、おそらくそれが今の姿に繋がっている理由のひとつでしょう。レースでも、調教でも、すべてを上手くこなします」
「今朝は、こちらが求めるだけのことをきっちりやってくれました。自分で勝手に仕上げてくれるタイプなので、状態はかなり良さそうです」
シャム師もまた、ロマンチックウォリアーに満足している。同馬は12月14日のG1・香港カップで前人未踏の四連覇を目指し、その先には、昨年フォーエバーヤングの後塵を拝した2月のG1・サウジカップで“リベンジマッチ”を見据えている。
「ロマンチックウォリアーは健康そのもの、仕上がりは良いです」とシャムはIdol Horseに語り、獣医師のローレンス・チャン博士と、ロマンチックウォリアーをレースに復帰させるために「素晴らしい仕事」をしてきた厩舎スタッフに対して、感謝の言葉を述べた。
「現時点でかなり仕上がっていますし、健康的で良さそうです。ジェームズ・マクドナルドとヒュー・ボウマン、2人のジョッキーが口を揃えて、手術前よりずっとリラックスしていると報告しています。まだ少しフレッシュですが、コントロールは容易で、良い兆候だと思います」
「12月が常に最大目標ですから、今回のレースで良い走りができれば、その後は香港カップにフォーカスします。2戦を消化したのち、私と馬主のピーター・ラウ氏は、再びサウジへと遠征し、サウジカップに出したいと考えています」
豪遠征から凱旋帰国したばかりのカーインライジングについても、パートンは“世界最速のスプリンター”がこれまでになくフレッシュだと報告した。日曜日のG2・ジョッキークラブスプリントで“遠征疲れ”を見せるのではと淡い期待を抱いていたライバル陣営は、肩を落とすことになるだろう。
「カーインライジングはフレッシュで、抜群に元気ですね。今ほど跳ね回っているのは、これまで見たことがありません」
パートンは先週金曜日、オールウェザー1200mのバリアトライアルでカーインライジングの手綱を取り、直線に入ると楽に流しつつ、注目を集める若手マイラーのマイウィッシュに4馬身差をつけて、余裕の手応えでフィニッシュした。
「カーインライジングには、少しピリピリ感を抜くためにも、あのトライアルは必要でした。素晴らしい状態で戻ってきましたし、地元に戻れて本人も幸せそうです。レースに戻すのが楽しみです」


