競馬界に『Genso(天馬驛)』のような場所は唯一無二だ。楽しいアクティビティ、高級感のあるレストラン、広々とした内装もさることながら、シャティン競馬場に誕生したこの最新鋭の拠点、もしかすると最も見落とされがちな魅力は「一般エリア」ということかもしれない。
会員資格は一切不要で、競馬ファンはもちろん、初めて香港を訪れる旅行者、あるいは単にユニークな一日を過ごしたい人まで、Gensoはすべての人を歓迎している。
シャティン競馬場・グランドスタンドIIの3階と4階に位置するGENSOは、競馬のスリルとインタラクティブなテクノロジー、そしてモダンなダイニングを融合させた空間だ。営業日はレース開催日で、訪問者は事前にオンラインで予約することも、当日に会場のポータルでテーブルを予約することもできる。
体験全体が親しみやすく、それでいて印象深いひとときになるよう設計されており、この場所ひとつで、遊び、食べ、学び、競馬をこれまでにないスタイルで楽しみ尽くすことができる。
イノベーション × 競馬
Gensoは、香港ジョッキークラブの長期的な “競馬場マスタープラン” の一環として構想された。シャティンとハッピーバレーの両競馬場を、世界クラスのスポーツ&エンターテインメント拠点へと再生するべく、数十億香港ドル規模を投じる一大プロジェクトである。
その変化を、これほど端的に体現している場所は他にない。全4フロアにわたって、フィジタル(フィジカル + デジタル)エンターテインメント、没入型の学びの体験、そしてスタイリッシュなおもてなしを組み合わせ、しかもそれらすべてがコースのすぐ近くに集約されている。

食べて、遊べて、探索して
そんな一日を過ごしたいなら、まずは3階の『FUDO TOWN(フードタウン)』からスタートしたい。
自由席のフードホールには、『Ramen Bar(ラーメンバー)』『Kanpai Circle(カンパイサークル)』『Don Express(ドン・エクスプレス)』『Yoshoku Tei(ヨウショクテイ)』『Sui-tsu Corner(スイーツコーナー)』という、5つの日本風の名を冠したアジアンスタイルのカウンターが並び、音と香りにあふれる空間をつくり出している。
ここでは、実物大の馬がスクリーン上をダイナミックに歩く『1:1 Digital Parade Ring(1:1デジタルパドック)』を眺めながら食事を楽しめる。スクリーンには実際のレース映像やゲーム性を取り入れた要素が映し出され、目の前で「動くパドック」を見ているかのような感覚を味わえるはずだ。
すぐそばには『Interactive AI Horse Selection Stations(インタラクティブAIホースセレクションステーション)』があり、直感で馬を選んでみたり、データを比較したり、バーチャルレースに挑戦してみたりと、さまざまな角度からレースを“研究”できる。
階段を上がって4階に行くと、『IZAKAYA(イザカヤ)』が待っている。ここはより落ち着いたテーブルサービス形式のレストランで、セットメニューとアラカルトの両方を用意し、上質なドリンクも楽しめる。窓の外にはコースが広がり、ホームストレッチを行き交う馬たちを眺めながら、ゆったりとした時間を過ごすことができる。
3階と4階はいずれも、一般客に開かれたフロアだ。料金はレース日によって異なるが、エントリーレベルの体験で100香港ドル(約2000円)前後から、ビッグレースデー向けのセットメニューでは600香港ドル(約12,000円)程度まで用意されている。

ダイニングだけがGENSOの魅力ではない。ここは「遊んで、発見する」場所でもある。
3階中2階(3M/F)の『Genso Snap(ゲンソースナップ)』は、ARとAIを活用したフォトブースが並ぶ“ソーシャルフロア”だ。ここでは自撮り写真を、競馬をテーマにした記念ショットに変換してくれ、SNSにアップするにもぴったりの一枚が撮れる。
さらに4階中2階(4M/F)の『Maze Race(メイズレース)』に上がると、訪問者は香港の伝説的な競走馬たちの物語をヒントにしたパズルを解くことができる。謎を解き明かすことで、『Gensoverse(ゲンソーバース)』へのアクセスがアンロックされる仕掛けだ。
ゲンソーバースは、ジョッキー目線での騎乗を体験できるXR(クロスリアリティ)シミュレーションで、香港の名馬たちの背中に仮想的にまたがることができる。
締めくくりには、4階の『Genso Isle(ゲンソー・アイル)』を訪れたい。ここは落ち着いたアート空間で、馬をテーマにしたアート作品が並び、ゴール前の直線を見渡す壮観なオープンバルコニーも備えている。世界レベルのレースを目前に眺めながら、ゆったりとくつろげる特別なビュースポットだ。
場内には高速Wi-Fiが整備され、多言語対応の実況が流れ、ドレスコードもスマートカジュアルと、過度に堅苦しくない。未来的でありながら、どこか親しみやすさも感じさせるGensoは、香港旅行のプランに加えておきたい「必訪」スポットであり、思わず写真を撮りたくなる“インスタ映え”スポットでもある。
アクセス
– ネット予約: https://bit.ly/idolhorse-genso
(一般のお客様は28日前から、プライオリティカード会員は35日前から予約可能)
– 言語: 広東語、北京語、英語に対応
– 当日予約: 開催日、会場内のオンサイトポータルからテーブル予約が可能。
– 入場規定: 入場は18歳以上のみ
– ドレスコード: スマートカジュアル(スリッパ、袖なしシャツ・シングレット、スポーツショーツは不可)