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欧州最高賞金の大レースにスポット参戦で騎乗し、ジアヴェロットを大健闘の4着に導いた、香港のアンドレア・アッゼニ騎手。来週のG1・コーフィールドカップで、またしてもスポット遠征に向かえることを心待ちにしているようだ。

日曜日のG1・凱旋門賞では、人気薄の評価に甘んじていたG1・香港ヴァーズ覇者のジャヴェロットだが、タフなコンディションの中で4着に踏ん張り、5000万円を超える賞金を手にした。騎乗したアッゼニは、この6歳馬の奮闘に大いに満足している。

「素晴らしい走りでした」とアッゼニはIdol Horseに語る。「雨、それもかなりの量が降っていた中でしたからね。これまでのベストパフォーマンスは硬めの良馬場でのものが多かったので、正直チャンスはかなり薄くなるかもしれないと考えていました」

「馬場はかなりソフトで重たかったですが、重要だったのは枠順と道中のポジション取りです。今回はポジションと枠順に恵まれたので、もし馬場がもっと良かったら、3着争いに加われたと思います」

「良い位置で運べて、進路が開いた時に『ここで来てくれ』と願いましたし、実際に来てくれました。レース前に4着と言われていたら、間違いなく “よくやった” と思ったでしょうね」

ジャヴェロットは道中、後方の内ラチ沿いで脚をため、外には勝ち馬となったダリズがいた。直線入口、残り約450m地点でアッゼニがゴーサインを出すと、ジアヴェロットはしぶとく伸び、最後の数完歩でソジーに3着を奪われたものの、最後まで食らいついて4着を死守した。

マルコ・ボッティ厩舎のジャヴェロットが次の目標に掲げるのは、12月14日の香港国際競走だ。連覇を懸けて香港ヴァーズに向かう予定だ。アッゼニは、香港で誰が騎乗するかについては「まだ不確定」としている。

「まだ正式には決まっていません。もし、また乗れることになれば最高ですね。もちろん、昨年このレースを勝っている立場ですし、その路線で向かうのは間違いありません」

Giavellotto wins the G1 Hong Kong Vase for Oisin Murphy
GIAVELLOTTO, OISIN MURPHY / G1 Hong Kong Vase // Sha Tin /// 2024 //// Photo by Shuhei Okada

その前に、アッゼニはさらなる海外での成功を目指し、再び海外遠征の旅へと向かう。34歳の同騎手は10月18日にオーストラリアへ飛び、サイモン&エド・クリスフォード厩舎のメイダーンとG1・コーフィールドカップに参戦することが決まっている。

アッゼニにとって、フランス、オーストラリア、香港のいずれであれ、最高峰の舞台で戦う機会は騎手人生のハイライトの一つだ。

「凱旋門賞のような大レース、トップホースに騎乗してのビッグレースに乗ること。そういう日々こそが自分の生き甲斐であり、少し恋しくも感じる瞬間です」

「オーストラリアにはコーフィールドカップのために行きますし、全てが上手く行けばメルボルンカップで戻ってくるつもりです。ヨーロッパを拠点にしていた頃は、オーストラリアでの騎乗機会はなかなか巡ってきませんでした。でも、香港を拠点にしている今は、それが大きなアドバンテージになっています」

昨年4月には、サークルオブファイアでG1・シドニーカップを制したアッゼニ。フランケル産駒の4歳馬・メイダーンが、春のターゲットに向けて好成績のままオーストラリアにやってくると自信を覗かせている。

メイダーンは前走、イギリス・ケンプトン競馬場のオールコースで行われたG3・セプテンバーステークス(12ハロン)で、ジャヴェロットとカルパナに迫る3着に健闘。ハイレベルな一戦で見どころのある走りを披露した。

「いい騎乗依頼をいただきました」とアッゼニは言う。「ヨーロッパでの内容は堅実ですし、とても安定した馬です。しばらく勝ってはいませんが、走りは良く、コーフィールドの12ハロン向いているタイプだと見ています。その後、全てが順調なら、メルボルンカップへと駒を進めるはずです」

ジャック・ダウリング、Idol Horseの競馬ジャーナリスト。2012年、グッドウッド競馬場で行われたサセックスステークスでフランケルが圧勝する姿を見て以来、競馬に情熱を注いできた。イギリス、アメリカ、フランスの競馬を取材した後、2023年に香港へ移る。サウス・チャイナ・モーニング・ポスト、レーシング・ポスト、PA Mediaなどでの執筆経験がある。

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