UAEの著名な馬主、モハメド・オバイダ氏が土曜日、ドバイの病院で逝去した。シドニーで行われたタンクレッドSにて、ドバイオナーがG1制覇を挙げてから、わずか数週間後に飛び込んできた訃報だった。
青と赤のデザインで知られるオバイダ氏の勝負服は、近年ではドバイオナーの活躍で知られていた。オーストラリアとフランスでのG1勝ちがあるドバイオナーは、イギリス、ドイツ、香港のG1でも入着の実績を誇る国際派の一頭だ。
競馬界で40年以上の歴史を持つこの勝負服だが、初期の活躍馬は1985年の英オークス3着馬、デュビアンまで遡る。同馬はオバイダ氏の親友でもある、シェイク・マクトゥーム・ビン・ラシッド・アル・マクトゥーム殿下の生産馬だった。
デュビアンは繁殖入り後、複数の活躍馬を輩出した名牝として名を馳せ、その産駒はいずれもオバイダ氏の所有馬として活躍した。
代表産駒のサイエダティは1993年の英1000ギニーのほか、イギリス、アイルランド、フランスでG1レースを5勝。G1・ジャンプラ賞を制し、その後ナショナルスタッドにトレードされたゴールデンスネーク、G1・サラマンドル賞でジャイアンツコーズウェイの2着に入ったレースリーダー、そしてリステッド入着実績があるドバイタイフーンなどが主な産駒である。
オバイダ氏のその他の活躍馬としては、G1・クイーンエリザベス2世Sを制したエアエクスプレス、長距離路線のG1で入着複数のネイエフロード、G3勝ち馬のスターストームやスーブーグが知られている。
また、息子のサイード氏とセーラム氏も馬主として活動しており、メルボルンカップにて3年連続入着のプリンスオブアランはサイード氏の代表馬だった。また、孫娘のマイサ・アルスワイディ調教師はドバイで厩舎を開業した史上初のUAE出身女性調教師として知られている。
UAEを拠点に不動産開発業を営んでいたオバイダ氏は、1993年の英1000ギニーを制した直後の取材にて、自身の年齢について「55歳くらい」と回答。正確な年齢を明かすことはなかったが、長い闘病生活の末に亡くなった土曜日の時点では、80代半ばだったと推測される。
イスラム教の伝統に則り、同氏の葬儀は日曜日の朝、ドバイで執り行われた。