Horse To Follow: アメリカンステージ
1着(12頭立て) 2歳 OP・報知杯中京2歳S
1200m (芝), 中京競馬場
土曜日 12月14日
アメリカンステージはすでにダートで存在感を示していたが、矢作芳人調教師は今や二つの馬場で活躍できるスターを手にし、すでに海外重賞への参戦に焦点を合わせている。
鮮烈な印象を残した京都ダート1200mでの勝利からわずか6日、矢作調教師はアメリカンステージを芝へと送り込んだ。2.2倍の1番人気に支持されたアメリカンステージは、中京2歳ステークス(1200m)で終始脚が衰えない逃げを打って圧勝した。
レース後、矢作調教師は日刊スポーツの取材に対し「芝への挑戦は賭けでしたが、スピードを超越する能力を見せてくれました」と語り、さらに「これで芝という選択肢も増えました」と今後の予定を語った。
その選択肢には来年早々の海外重賞が含まれており、指揮官はサウジアラビアのG3・リヤドダートスプリントを有力な目標として挙げた。
豊富な海外遠征の経験を持つ矢作調教師は、これまでにジャスティンでリヤドダートスプリントに2度挑戦し、2021年と2023年ともに着外に終わっている。
アメリカンステージの芝デビューは卓越した才能を感じさせるものだった。スタートから鋭く飛び出して先頭に立つと、前で安定したリズムを保ち、直線で岩田康誠騎手が促すと即座に加速。
中京の上り坂も物ともせず、アメリカンステージは後続を3.5馬身引き離して勝利。追いすがるポッドベイダーを抑え、1分9秒1というタイムを記録しての完勝だった。
前走との間隔は6日ながら馬体の増減なしで臨み、福島2歳ステークスの勝ち馬で芝のスプリントを経験しているポッドバイラーを含む、多くの有力馬を相手に迎えての一戦だったことも忘れてはならない。
また、連闘と新しい馬場というチャレンジングな条件にもかかわらず、堂々たる走りを見せ、短期間での連戦による悪影響は全く見られなかった。
レース後、岩田騎手は馬を絶賛。「4コーナーでも手応えがありました。返し馬の時点で、走りが全く違うと感じていました。芝のG1でも通用すると思います」と話した。
昨年のキーンランド・セプテンバーセールで50万ドルで取引されたこのイントゥミスチーフ産駒は、これまでに6戦3勝(3-2-1-0)の成績を残している。9月に中京ダート1800mでデビューしたアメリカンステージだが、初勝利まで3戦を要した。
しかし、11月に京都で1200mに距離を短縮すると、終始先頭で押し切り、2009年のラブミーチャンの記録を0.3秒更新する1分10秒7を記録した。
その次走、12月8日の京都での1勝クラスでも、スムーズに飛び出して終始先頭。直線で勢いを増し、上がり最速(600mを36秒1)を記録し、1分11秒2という印象的なタイムで4馬身差の圧勝を収めた。
父のイントゥミスチーフは、昨年まで5年連続で北米リーディングサイアーに輝いた名種牡馬で、今年のドバイワールドカップを制したローレルリバーなど、多くのG1勝ち馬を輩出している。
母のボニータミアは未出走だったが、2016年のG1・エイコーンステークス勝ち馬カリーナミアの妹で、その血統の確かさを裏付けている。
矢作調教師は、アメリカンステージをダートで距離を伸ばすのではなく、馬場を問わない生粋のスプリンターと位置付け、芝への挑戦を決断したことで将来の選択肢を広げた。
3歳になったばかりの馬にとって古馬相手の海外遠征はかなり異例の挑戦となるが、アメリカンステージは、すでに世界の舞台で大きな成功を収めている名門厩舎に、新たな栄誉をもたらす馬になるかもしれない。
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