Horse To Follow: ブラウンラチェット
1着(11頭立て) 2歳 新馬戦
1800m (芝), 中山競馬場
月曜日 9月16日
9月16日、中山競馬場の1800mの新馬戦でブラウンラチェットがデビューし、1馬身半差の快勝。着差はあまり開いていないが、手応えに余裕を持ったまま突き抜け、ライバルとの差は歴然という内容だった。
この馬は半兄にフォーエバーヤングを持つという血統のため、デビュー前から注目を集めていた。兄は今年、チャーチルダウンズ競馬場のG1・ケンタッキーダービーで惜しい3着、日本馬初の快挙にあと一歩と迫った。この秋はデルマーのG1・ブリーダーズカップクラシックへの遠征を計画しており、まずは10月2日のジャパンダートクラシックを前哨戦として使う予定だ。
兄は父にリアルスティールを持つ血統だが、妹はキズナ産駒だ。ディープインパクトの孫という血統に変わりはないが、父が違う影響なのか、はたまた性別が違うせいなのか、兄弟で適性は全く異なるようだ。

レースを振り返ると、序盤は3番手で逃げ馬を見ながら追走。ホームターンを回った段階で早々と先頭に立ち、クリストフ・ルメール騎手がスパートの合図を送ると素早い加速を見せ、オッズ1.2倍の期待に応えた。
勝ち時計は1:50.01。このコースの新馬戦にしては比較的早いタイムだったが、秋の中山開催はまだ2週目で芝の状態が良く、この日も全体的に早いコンディションだったことは留意すべきだろう。実際、前週の9月8日に行われた1600mの新馬戦では、ファンダムが2歳コースレコードを叩き出している。
しかし、ラップタイムを見ると『加速ラップ』を刻んでおり、最後の3ハロン(1ハロンごとのラップタイム)は11.8-11.6-11.2というタイムを記録した。デビュー戦ながら、非常に完成度の高いレース内容だったと言えるだろう。
— Team Iwata (@JayRAye02) September 16, 2024
ルメールはレース後のインタビューで「冷静に走れたし、加速も良かった。長い距離にも対応できる。凄く良い感じ」と語ったが、その一方で成長してほしい点としてこの馬の体格を挙げた。
この日の馬体重は438キロと、2歳の牝馬だとしてもやや小柄と言える体重だった。兄のフォーエバーヤングは大柄な馬で、父のキズナも体格の良い産駒が多いため、ブラウンラチェットもこの先の成長が期待できるだろう。
手塚貴久調教師は「センスが良い」とこの牝馬について語ったが、まさにその言葉が似合う逸材と言える。
1年前、2023年の9月16日に同じ条件で行われた新馬戦は、ミアネーロが1:49.6という勝ち時計で制している。この馬は後にG3・フラワーカップを制し、9月7日のG2・紫苑ステークスでも僅差の2着に入った。ブラウンラチェットの陣営も、これに続くような活躍を期待していることだろう。
将来の展望: 成長次第では、牝馬クラシックの候補に入る