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シャティン競馬場での落馬事故から約5ヶ月。脳出血と脳挫傷を含む重傷を負っていたヴィンセント・ホー騎手が、スイスでの専門医の診断により、ついに騎乗への復帰許可を得た。

事故は2月9日のレース中に発生し、それ以来、ホー騎手は馬上から離れた療養生活に。だが、スイス・オリンピック・メディカルセンターの専門医が、騎乗再開にゴーサインを出したことで、ホーのリハビリは大きな節目を迎えた。

今後は、香港ジョッキークラブの医療チームによる最終的な判断を待つことになるが、問題がなければ、調教での騎乗再開が認められる見通しで、発表は数日以内に行われるとみられる。

この朗報は、ホー騎手の公式インスタグラム「vincentho.official」にも喜び溢れる文章とともに投稿された。

「何ヶ月にも及ぶリハビリの努力が実を結び、スイスのスポーツドクターから“馬に乗る準備ができた”との嬉しい知らせをもらいました!」

ホー騎手は、香港ジョッキークラブの医療スタッフ、スイス・オリンピックメディカルセンターの専門医に加え、脳神経外科医、スポーツドクター、理学療法士、セラピスト、スポーツ心理学者、神経心理士、そしてすべての競馬ファンに感謝の言葉を述べた。

Idol Horseの取材に応じたホー騎手は、リハビリの過程で香港が誇る名馬、ゴールデンシックスティとの再会が大きな支えになったと語った。

5月初旬に渡航許可が下りて以来、彼は北海道を何度も訪れ、引退したゴールデンシックスティと放牧地で触れ合っている。10度のG1制覇を共にしたかつての相棒をパドックで駆けさせるなどして、感覚を少しずつ取り戻してきたという。

スイスでの診断を控えた5月の取材では、次のように語っていた。

「うまくいけば、まずは調教で馬に乗って、感覚を取り戻し、気持ちよく走れるようになることが第一歩です。その後は、トライアルに騎乗して、肉体的にも精神的にもレースに戻れる状態に仕上げていきたいと思っています」

「ただ、焦りや無理は禁物です。特に脳は絶対にリスクを取るべきではない。100%大丈夫だと確信が持てるまでは、あくまで慎重に進めます」

デイヴィッド・モーガン、Idol Horseのチーフジャーナリスト。イギリス・ダラム州に生まれ、幼少期からスポーツ好きだったが、10歳の時に競馬に出会い夢中になった。香港ジョッキークラブで上級競馬記者、そして競馬編集者として9年間勤務した経験があり、香港と日本の競馬に関する豊富な知識を持っている。ドバイで働いた経験もある他、ロンドンのレースニュース社にも数年間在籍していた。これまで寄稿したメディアには、レーシングポスト、ANZブラッドストックニュース、インターナショナルサラブレッド、TDN(サラブレッド・デイリー・ニュース)、アジアン・レーシング・レポートなどが含まれる。

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