来季、2025/26シーズンのロマンチックウォリアーについて、ダニー・シャム調教師はG1・サウジカップへのリベンジも可能性の一つだと明かした。その一方で、来シーズンの動向については「レースごとに判断する」として、慎重な姿勢を見せた。
世界賞金王に浮上したロマンチックウォリアーは、中東遠征を終えて2週間の検疫期間を済ませ、先週シャティンの厩舎に戻った。
今回の中東3連戦では、1月にメイダン競馬場のG1・ジェベルハッタ(1800m)をコースレコードで完勝。ダート初挑戦となったリヤドのG1・サウジカップでは大健闘の2着に入り、4月のG1・ドバイターフ(1800m)ではソウルラッシュとの大接戦の末に2着惜敗。勇敢な走りを見せ、帰国の途に就いた。
日曜日、シャティンでIdol Horseの取材に応じたシャム調教師は、4ヶ月間の長旅を終えたロマンチックウォリアーは現在、疲れを癒やすべく休養に入っていると語った。
「ちょっと疲れを見せていますが、無事に戻ってきてくれて良かったですね。12月に香港を離れてドバイに渡ってから本当に長旅でしたが、彼が成し遂げてくれたことを厩舎一同誇りに思っています」
これまでにG1・10勝の実績を誇るロマンチックウォリアー。中東でのG1制覇は1月のジェベルハッタのみに留まったものの、ダートのサウジカップでは日本のフォーエバーヤングを相手にクビ差の2着に食らいつき、改めて世界最高峰の一頭だと証明する結果を残した。
「1月のジェベルハッタは素晴らしい走りでした。サウジでは負けたとはいえ、おそらく世界最強のダート馬であるフォーエバーヤングに負けただけです。それにプラスして、ロマンチックウォリアーは初めてのダートでしたからね」
来年のサウジカップへの再挑戦を尋ねられたシャム調教師は、リベンジの機会もありえると話し、2,000万米ドルの賞金総額は魅力的だと語った。しかし、まずは11月のG2・ジョッキークラブカップ(2000m)、そして12月の香港カップ(2000m)の結果を見て、馬主のピーター・ラウ氏と協議してレースごとに計画を立てていくと説明した。
「11月のジョッキークラブカップで始動し、12月の香港カップを目指していきます。その後はレース後の様子を見て判断していくことになります」
「またサウジに遠征する可能性もありますし、今シーズンのようにそこからドバイに転戦する可能性もあります。ですが、結局は11月と12月の走り次第となってきます。来年は8歳になりますし、レースごとに様子を見て慎重に見極めていくつもりです」
オーナーのラウ氏はこれまで、オーストラリア、日本、そして中東への遠征を積極的に後押ししてきたが、香港に留まり、高額賞金が用意された国内のG1レースを狙うという将来も依然として魅力的なオプションではある。
仮に国内専念を選択した場合、ロマンチックウォリアーは再び2000m路線の王者に君臨する可能性が高い。4月のG1・クイーンエリザベス2世カップ(2000m)では外国馬が上位を占めたが、いずれもロマンチックウォリアーに先着された経験がある馬だった。