先週土曜日にメイダン競馬場で行われたドバイワールドカップデーを経て、チャンピオンズデーの出走馬が徐々に姿を見せ始めている。
ゴリアットのフランシスアンリ・グラファール調教師は、G1・クイーンエリザベス2世カップ(芝2000m・シャティン競馬場)について、「ゴリアットにとって『理想的な始動戦』になる」と語り、出走に向けて意欲を見せている。
4月27日に行われるG1競走3レース、クイーンエリザベス2世C、チェアマンズスプリントプライズ(芝1200m)、チャンピオンズマイル(芝1600m)の出走予定馬は明日発表される予定だ。
中でも注目を集めているのが、昨年のG1・キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス(芝2400m)を制したゴリアットと、日本の名牝リバティアイランドによる対決である。
ドバイターフ(芝1800m)の覇者であるソウルラッシュは、関係者によればシャティンではなく、G1・安田記念(芝1600m)を目指す見込みだという。
しかし、リバティアイランドを管理する中内田充正調教師は、同レースで無念の8着に敗れた直後に行われたIdol Horseの取材に対して「現時点では『ぜひとも』チャンピオンズデーに連れて行きたいというのが本音です」と語っており、まだ確定ではないものの意欲をにじませている。
中内田調教師は、まずリバティアイランドのレース後の状態を確認した上で、クラブ法人のサンデーレーシングおよび生産者のノーザンファームと、今後の方針について協議する必要があると話している。2023年の牝馬三冠を達成した名牝は、昨年12月のG1・香港カップでロマンチックウォリアーの2着に敗れていた。
もし、関係者がシャティン遠征を決断すれば、そこにはフランスの強豪・ゴリアットが待ち構えている。同馬は昨年11月のG1・ジャパンカップ(芝2400m)で6着に敗れて以来の出走となる。
今回、年が明けて5歳となったゴリアットには、一昨年9月のG3・プランスドランジュ賞(4着)以来となる2000m戦への出走にゴーサインが出た。
「ゴリアットは香港へ行く予定で、現在とても順調に来ています。体もかなり充実してきましたし、良いレースをしてくれることを願っています」と、グラファール調教師はメイダン競馬場でIdol Horseの取材に応じ、このようにコメント。
「この距離ではある程度のペースが必要になるでしょうが、今シーズンの初戦としては非常に良い舞台です」
一方、クイーンエリザベス2世カップにおけるイギリス勢の布陣は、まだ確定していない。ウィリアム・ハガス調教師はIdol Horseに対し、同レースに出走させるかどうか現時点では判断しかねていると語っている。
彼の管理馬であるドバイオナー、アルムビール、マルジュームはいずれも出走登録がされているが、まだ確約はされていない。
ドバイオナーは昨年12月のG1・香港ヴァーズ(芝2400m)で4度目のシャティン遠征となり2着に健闘。4月1日にローズヒルで行われたG1・タンクレッドステークス(芝2400m)では、自身4度目となるG1制覇を達成している。
同馬は今週末にランドウィック競馬場で行われるG1・クイーンエリザベスS(芝2000m)に出走予定だ。
一方、ハガス厩舎のアルムビールは前走のG1・ドンカスターマイルで精彩を欠いた内容に終わっている。また、マルジュームについてハガス調教師は「チャンピオンズデーは時期的に少し早すぎるかもしれない」と述べており、ドバイターフで3着に食い込んだものの、現時点では出走は未定とのことだ。
さらに、G1・ゴールデンイーグル(芝1500m)の覇者、レイクフォレストのチャンピオンズマイル出走についても、「まだ決めかねている」としている。

同じくイギリスのカール・バーク調教師は、ロイヤルチャンピオンをクイーンエリザベス2世カップに出走させる予定だと明かしている。
Idol Horseの取材に対し、バーク師は「この7歳馬ならG1でも十分にやれる」と自信をのぞかせており、2月にサウスウェル競馬場で行われたG3・ウィンターダービー(オールウェザー2234m)を快勝した内容からも、その手応えを得ているようだ。
「ロイヤルチャンピオンは真のG1ホースになれる素質があると思っています。賞金も非常に大きいですし、馬主のオバイド殿下もこのレースを目指すことに賛成してくれました。順調なら18日に香港へ向けて出発する予定です」
ロイヤルチャンピオンは、4歳シーズンの締めくくりとしてカナダのウッドバイン競馬場でG1レースに出走し、2着。その後、昨年はオーストラリアで3戦を消化したのち、バーク厩舎に転厩している。豪州でのベストパフォーマンスは、10月にムーニーヴァレー競馬場で行われた一戦、G2・クリスタルマイルでの2着だった。
「ウィンターダービーは良い勝ち方でしたが、正直なところ、あの時はまだ本調子ではなかったと思っています。調整中に少し気になる点がありましたが、それでも現地では素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました」
「遠征慣れしているのもこの馬の強みで、それが香港を目指す大きな理由の一つです。オーストラリアから帰国した時の状態もとても良かったので、遠征を楽しみにしています」
G1・チェアマンズスプリントプライズでは、カーインライジングが手強い存在となりそうだが、日本のダノンマッキンリーがシャティンで世界最高評価のスプリンターに挑む可能性もある。前走のG1・アルクォーツスプリント(芝1200m)では4着と健闘しており、その内容が評価されての挑戦となる見込みだ。